昭和43年10月25日 夜の御理解 ★
簡単に信心によっておかげを頂くと、おかげを受けるということを言いますけれども、そのおかげを受けた後のことを大事にし、そのおかげがいよいよ、おかげの実りにもなれなんというところまでおかげ頂いていく信心を身に付けておかなければいけないと思う、ね。おかげは受けた、けれどもその、受けたけれどもまたそれを落としてしまうというようなことでは惜しいことですからね。
今、御祈念にかかる前に高橋さんがお届けをされるのに、もう4、5日ぐらい前だったでしょうか、あちらの番頭さんであちらのお母さんと高橋さんとも一緒に連れ立って、いつもあちらの職人の時代にお参りをしてきました。自分も店を持ちたいというので、随分そのことでお願いもし、御神意のままにおかげを頂いて、現在、渡辺通りの先の方ですかね、それに繁華街がございますが、あちらでおかげを頂いてからお店を開いたんです。
本当にあの、その頃に、本当に神様のおかげだなあと自分も思ったであろう、まあ皆もそれを感じたんですけれども、それから大変順調なおかげを頂いて、それからお店は繁盛する、奥さんはもらう、子供ができると、もう本当に、言わば夢のようなおかげになっていって、この頃ではもうちょっと小金の少しも人に貸そうかというぐらいのおかげ頂いたんですね。まあ繁盛のおかげ頂いておったんです。
それっきり、もうお参りもございませんでしたが、この頃、電話で高橋さんから電話でお届けがありました。「長尾さん」て言いましたが、「やごうふくずし」、(みよく?)の(ふく?)の字を頂いて、福寿司という(やご?)のお寿司屋さんを開いてました。これがその、何か近所に悪い病気が出たために、よく調べられて、まあそこの福寿司から出たんだといったようなことになってですね、まあ調べられておるらしいからと、それが新聞に載っておったらしい。で、その新聞を見て、まあ高橋さんが電話かけてみえたんです。
もちろんあくる日参ってみえて、まあそのことをいろいろ詳しくお届けをなさいました。で、今、そのお届けされますのに、結局、まあ5日間ぐらい、営業停止というようなことになったというのですね。それでもう、ご家族の話を聞くと、もう本当に、だいたい気が小さい方でした。もう本当に気の小さい人でしたが、もう本当にこげなことなるなら店をやめたい店をやめたいって、まあ言うておるというわけなんですね。
だから、今朝の御理解じゃないけれども、やはり信心をもっておる者がいち早くやっぱり行ってやって、そして信心を頂いておる者が来るとこのくらい店が明るくなるといったようなものを、そういう真っ暗になっておる時でなからなきゃ分からない、うん。だからそれは行ってやるべきだったんですけど、まあ言ったんですが。ただ、あちらとしては、まあたいしたことないですからと泣きついてでもきたならば、この合楽に連れて参ろうという腹だったらお届けはしてあったんですけどね。
★たら、結果においてそして、免許停止ということになった。私は正しくお気付けだとこう思うんですけれども、本人がお気付けと感じれば、やはりお詫びにでも出て来るでしょうけれどもそこまでの信心は頂いてなかったわけです。今、そのことをお届けさしてもらいよりましたらね、浦島太郎、ね、舞踊がありますよ、ほんで、箱の中へ顔を突っ込んでこう上げた時には、もう白髪のお爺さんになっておるといったような舞踊です、そこのところの一場面を頂くんですね。
なるほど、神のおかげで、神の背中に乗らせて頂いて、神様任せになり、親先生任せになって、現在の店を持った。それこそ乙姫様にも会えた、いろんなおかげも頂いたわけなんですよね。ところがさあいよいよ、目の前が真っ暗になるといったような時にですね、もう本当に店でもやめてしまおうということになっておるということは、もう正しく白髪のお爺さんになっておるようなもんですね。
そこんところを私共は信心さして頂いて、しっかり稽古をさしてもらって、信心さして頂いておってもやっぱり雨もありゃあ嵐もあるんだと、ところが信心さして頂いて、本当の信心頂いておると、その雨だ嵐だと、目の前が真っ暗になるといったような時にお徳を受けるもんです、力を受けるもんです。
いよいよ、例えば5色光の光ならば10色光に、10色光の光なら20色光の光を頂くような、まあ今朝の御理解で言うなら光を頂くまあよいチャンスに恵まれたようなもんですけれども、それが信心がうすかったり、なかったりいたしますと、何かがありますと、はあもう商売なんかやめてしまいたいとこう首突っ込んでしまっておるようなもの、顔上げた時には、もう白髪のお爺さんになっておるといったようなことでは、せっかくのそのおかげがですね、いわゆる玉手箱をもらって来たまではよいけれども、玉手箱のおかげで、また白髪のお爺さんにならなければ、ならないといったようなことではいけないですから、信心をしっかりさしてもろうてですね、本当の信心というかね、何かがあればあった時に元気が出る、ね。それこそあの鼓じゃないですけれども、締め上げられれば締め上げられるほどよい音色が出て来るといったような信心を日頃に身に付けておかなければならんかということが分かりますですね。どうぞ。
明渡真